家づくりのはなし


STORY of HOUSE BUILDING

大工・職人のはなし

投稿日:
2018年4月1日
技術・工法

 自社大工の利点

家づくりには、建物の骨組みや内外装の下地を作る大工職人、塗り壁を担当する左官職人などプロフェッショナルの技術が欠かせません。「しおたの家」も20~60代の職人衆約10人によって支えられています。

彼らはいずれも当社の専属スタッフ。長年にわたる信頼関係で仕事を任せています。

専属の職人を抱えるいちばんのメリットは、まず仕事が丁寧なこと。

外注業者が間に入らない分、職人それぞれが工務店直属のスタッフとして、いい加減な仕事はできないという高い意識をもっていますし、工事中に施工法の変更などが生じた場合も連絡が取りやすく、スピーディーに対応できます。

また、社内で優れた施工技術をキープできているのも、自社職人だからこそ。

例えば、断熱施工ひとつとっても「しおたの家」では継ぎ目処理などに使う発泡ウレタンフォームに頼りません。

隙間なく断熱材を施工して気密性を高める技術が、大工集団に浸透しているからです。もちろん、それらのスキル向上につながる勉強会を随時開催していますし、月1回の工務会議では、新しい施工法や建築材料などについて皆んなで意見を出し合いながら情報を共有しています。

大工1

職人の顔が見える家づくり

優れた専属職人がいることは、お客様の安心にもつながります。以前、リフォームを検討中の方から「工事は外注業者が行うのか」と質問されたことがあります。

下請けのさらに下請けなどに任せては、後々の変更等に柔軟に応じてくれないかも?と心配されたのでしょう。「しおたの家は設計から施工、アフターフォローまで自社一貫体制

現場と密に連絡を取り合いながら工事を進めるため、年間で手がけられる新築・リフォーム数が限られているのも現実です。

木材を仕入れて自社の作業場で加工し、その加工材料で職人が家を建てる。私はこれらの機能が揃ってこそ、本来の工務店だと思っています。

最近は加工場をもたない工務店が増えていますが、既製品の建材を購入して組み立てるだけでは、大工の仕事の精度も落ちてしまうのではないかと感じます。

自社職人がいる工務店として、「彼らを中心に家づくりを盛り上げていきたい」というのが私の思いです。

家が完成すると、すぐに次の現場へと移動するため、お引渡し時のセレモニーに、なかなか同席できないのが職人の悲しいところですが、彼らのやりがいは担当した家のお施主様から感謝の声が届くことです。

地域密着の工務店として、お客様と作り手の接点をもっと増やす努力もしていきたいと思っています。

家づくりの主役は大工・左官であり、彼らの数だけ家は建ちます。職人の「顔」が見える家づくりで、お客様にいっそうの安心と満足を届けたいと思っています。

自社大工

著者プロフィール

著者: 塩田 崇(しおだ たかし) 一級建築士
塩田 崇(しおだ たかし) 一級建築士
1959年、広島県安芸高田市甲田町生まれ。
広島県立向原高等学校卒業後、広島市内の工務店、三次市内の建設会社を経て、33歳で父親の工務店を手伝い始める。
1995年「しおた工務店」設立。
以来、お客様の目線を大事に、長く心地良く暮らせる家を提案し続けている。
モットーは(ちょっと大げさですが・・・・)、県北の家をしおた工務店から変えていこう!!